パッシブデザインについて考える。(三つのデザイン②)

  • 2019年10月30日
  • 2020年5月25日

「住まい手とそのご家族の一生を幸せに・・・その為に必要なことはなんだろう?」

それは、私たちがつねに考えていることであり、これからも追求していく「あだちの家」の根源です。

つねに考えているからこそ、今までの数多くの経験から「住まい手の幸せのために欠かせないこと」をたくさん見つけることができました。

そんな発見から生まれたのが、「あだちの家」の基本設計コンセプトである「住生活全体を設計する」ということです。

新しい住まいで生活を始めると、いろいろな「モノ」や「コト」との関わりが生まれます。住生活とは、住まいを中心に展開される生活そのものです。家そのものだけでなく、住生活全体を考えることが住まい手の幸せにつながると、私たちは思い至りました、

そこで、「あだちの家」の設計基本コンセプトを「住まい手の住生活全体を設計する」としたのです。

これまで工務店と言えば、どちらかというと家を建てる職人の集団というイメージがあったのではないでしょうか。しかし、このところ世代交代もすすみ、新しい感性で家づくりをする工務店が増えていると実感します。もちろん私たちもその一つです。

「あだちの家」基本設計コンセプト

あだちの家のプランは、基本設計コンセプトである「住生活全体を設計する」に沿ってつくられていきます。これは大きく分けて、「空間デザイン」「パッシブデザイン」「ライフデザイン」の3つのデザインで構成されています。

空間デザイン:空間全体をデザインすることで、「無意識に感じる居心地の良さ」を実現する。

パッシブデザイン:自然の光・風・熱を効率よく取り入れ、設備や機器に頼らず快適に過ごせる、「自然と共生する住まい」を実現する。

ライフデザイン:住宅ローンや各種保険、お子様の教育費などの経済的負担の軽減をともに考え、また、さまざまな生活状況の変化に対応できる設計や、周辺環境との関わり方などを通し、住まい手の将来を見すえながら、住まい手の「あなたらしさ」を実現する。

家づくりにおいて外せないことばかりなので、ここではパッシブデザインについてみていきましょう。

パッシブデザイン

四季を通じた心地よさでパッシブデザインを少し説明致しましたが、パッシブデザインとは、設備機器などに頼らず、その地域、その土地の自然の恵み「光」・「風」・「熱」をデザインする設計手法のことです。

具体的には敷地の自然環境を把握することから始まります。

1. 自然風の利用

その地域の季節ごとや、一日の時間ごとの平均的な風向きデータを元に、建物の風の入り口と出口を決めます。特に夏の夜の風向きは重要です。まわりに建物や山などがあったりするとデータ通りではない場合もあるので必ず現地に出向いて実際に体感します。

2. 日射遮蔽

年々猛暑日が増え夏の暑さが厳しくなっています。せっかく風通しをよくしても、窓から日射熱が直接入ってくるようでは温風にしかなりません。そこで夏に大切になってくるのが日射遮蔽。

日射遮蔽の方法は住まいの形状や敷地の周辺環境によって異なりますが、基本は夏季の直射を遮り、反射により室内に光を取り込む設計を検討します。

3. 日射熱の利用

夏は直射を遮ることを検討すると言いましたが、冬ではどれだけ直射で熱を取り込められるかを検討します。

この矛盾を解決することがパッシブデザインの基本とも言えるでしょう。

方法はいろいろありますが、一つ例を上げると、夏と冬の太陽高度差を利用することなどがあります。夏至の日射角度は78度、冬至の日射角度は32度と何と46度も差があります。

夏の直射を防ぐ場所まで軒先を伸ばし、高度が下がってくる冬は直射をふんだんに取り込む。これを実行するだけでも住まいの快適性はかなり向上すると思います。

4. 断熱性能の検討

そしてパッシブデザインの中で、最も大切なことが快適な温度を室内に保つこと、つまり断熱性能です。

断熱性能の良し悪しは、住まい手の快適性・健康・生活費など住まい手の生活ほとんどに関わってきます。夏はエアコンで冷えた空気を逃がさず冷房費を抑える、冬も昼間に溜めこんだ熱を夜まで保つことで暖房費を抑える。快適な生活をしながら更に光熱費も抑えるためには断熱の性能を上げることは欠かせません。

近年では高断熱化が健康に良いという調査結果も発表されました。

現在のエコポイント基準(次世代省エネルギー基準)である等級4を境にアレルギーなどの症状が改善されているのが良く分かります。

次世代省エネルギー基準は2020年迄に義務化されることが発表されているので、最低でも、これ以上の高断熱化は必要です。

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