そもそも、SDGsの意義とはなにか?
近年、よく聞くようになったSDGsは、Sustainable Development Goalsの略。日本語訳すれば、「持続可能な開発目標」ということになります。
これは2015年に国連サミットで採択された2030年までの国際目標。全部で17のゴールから構成されており、すべての国や企業が目指すべき「世界的な指針」です。
ですが、その必要性をきちんと理解できている人は、そこまで多くありません。
資源は有限
「エコロジカル・フットプリント」という指標があります。これは、人間の活動が、どれほど自然環境に依存しているかを測るものなのですが、たとえば、世界中の人々が我々日本人のような暮らしを始めたら、地球が2.4コ必要になると算出できるそうです。
世界の国々は、自国民の暮らしの質を上げるために日々成長していますから、今はそこまでではなくとも、今後日本に追いつき、追い越していくことになるでしょう。近年著しい中国経済の台頭や、最近のアジア圏の経済成長を見れば明らかなことです。
このように、今のままのペースで各国が経済成長を推し進め、資源を消費し続ければ、そう遠くない未来、地球の資源は確実に枯渇することになるはずですし、それはつまり私たちが住まう地球そのものの存続問題になってくると思いませんか?
だからこそ、限りある資源を守り、みんなの地球を大切にするために、「持続可能な開発」が求められているということです。
そして、住宅産業は、その中でも重要な役割を担います。住宅を建築する際にも多量のエネルギーや資源を使用しますが、それにも増して、その後、住まい手が暮らしてから使用するエネルギーは膨大です。そこに住んでいる限り、必ず発生し続けるのですから。
日本の家の寿命は約20年と言われますが、20年でダメになってしまう家を作り続けることは、将来的に地域に大きなゴミを残すことになりますし、冬寒く夏暑い住まいを作れば、住まい手は快適さを求めて余計に光熱費を使います。そんな家を作ってしまったら、それはどう考えても、限りある資源を無駄づかいしていることになると思いませんか?
私たち足立建築は、住まいのサステナビリティ(持続可能性)に特化しています。本当の意味で持続可能な世界を実現するために、地域に根ざす工務店として以下のような技術・知識を確立し、住まいづくりに携わっています。
足立建築のSDGs
1.躯体の長寿命
建築で使われる部材のほとんどの耐用年数は1 ~ 25 年。保証に関しても1 ~ 10 年と、長期に使用する住宅に使用される材料としてはあまりに貧弱です。
また、これまでに建てられてきた一般住宅は、耐用年数の違う部位、部材を同箇所に施工、一体型にしているため、リフォームがしづらく、結果一番耐用年数の短い部材の寿命が家の寿命となっており、住宅全体でも20 ~ 30 年で寿命がきてしまいます。
あだちの家は、スケルトン・インフィルを更に進化させ、用途別、耐久力別に、部位、部材を分離することに成功しました。取り替えられない部位には高耐久な材料を採用し、劣化しやすい部位には維持管理・交換等が容易な仕組みを取り入れることにより、住まい手に連れ添い、次世代にまで住み継がれる「持続可能な木の住まい」となっています。
2.有事の際の安心・安全(レジリエンス)
【免疫力】
高断熱・高気密・高耐久を実現しているあだちの家では、部屋間の温度差を無くし、温度のバリアフリーを実現することで、平常時の快適性だけでなく、ヒートショックや熱中症のリスクを抑えます。
また、住まい手の将来的なライフスタイルの変化に対応し、高齢になっても住み続けることができる間取り・配置を実現します。併せて、次世代に住み継げる環境性能を有し、地域で循環する住まいでもあります。
【土壇場力】
耐震等級3 をはるかに超える躯体の強靭さなど、災害時の被害を最小限に抑えます。地震だけでなく、近年頻発する大雨、洪水など、あらゆる災害への対応力を備えた設計デザインです。
【サバイバル力】
極力設備に頼らない半オフグリットデザインにより、災害時に地域のインフラが停止していても必要最低限の自活が可能な住まいとなっています。
【回復力】
あだちの家は、スケルトン・インフィルを更に進化させ、用途別、耐久力別に、すべての部位、部材を分離することに成功しました。ほとんどの住宅事業者がやっていない、屋根まで交換可能な「あだちの家」は災害で傷んだ箇所も容易で安価に回復することができます。
3.生活変化対応(変えられる工夫)
用途別、耐久力別に、すべての部位、部材が交換可能なあだちの家は、スケルトン・インフィル思考の間取りの可変性はもちろんのこと、未来のあらゆる住生活の変化を想定し、各部屋の用途を、間取りを動かすことなく容易に変えられる設計デザインを新築時から潜在させています。
また、そのように住まい手のライフスタイルの変化に対応できることはもちろんの事、事前に賃貸、店舗など、住宅そのものの目的を変えることのできる工夫や、法制度を活用可能にしておくことで資産価値を高め、運用、売却などの状況においても経済的に住まい手を助けられる住宅です。
4.時代や時間、設備・機械を使わずとも快適(パッシブ、半オフグリット)
あだちの家は、パッシブデザインにおいても極端に設備に頼らない建築的手法を突き詰め、そこに自立循環型住宅の考え方を取り入れての設備選定をおこなっており、住まいの性能標準を半オフグリットとしています。
設備に頼らず高断熱・高気密・高耐久を実現している「あだちの家」は、エネルギー消費やメンテナンスコストを抑えることで、所得による住宅格差を解消します。
エネルギー消費量の少ない住まいは将来的な光熱費の高まりにも備えることができること、また、高耐久の住まいは建物が劣化しづらく維持管理しやすいため、メンテナンスコストを大幅に削減できることにより、住まい手の家計に優しい住まいが実現します。
5.未来に残せる意匠(100年の時間軸設計)
あだちの家は、元々浜松を中心とした静岡県西部地域(遠州地方)で暮らしてきた地域工務店だからこそ、この地域の伝統や形にこだわります。この遠州地方で長く住み継いでもらうため、流行や奇をてらったデザインではなく、何十年、何百年も前から建っていたような地域の街並みや景観に馴染み、逆らわない、素直で謙虚な建築、デザインを心がけています。
また、日本の四季は地域によって気候風土が異なります。地域の気候風土に応じた木造住宅を建築するには、その地域で暮らしながら、常に最先端の技術を学んでいる向上心の高い住宅事業者でなければ不可能です。
あだちの家は、気候風土、法律、周辺環境、コスト、雰囲気、時間軸、多種多様な要素すべてを無視せずに向き合い、とこしえに住まい手と地域に寄り添い、親から子へ、人から人へ住み継がれる「持続可能な木の住まい」をデザインしています。
6.社会への責任 ~住まいを通じて、地域の底上げ、日本の底上げを~
弊社は日本最大規模の工務店団体「JBN 全国工務店協会」及びその地域連携団体で静岡県西部最大規模の工務店団体「静岡木の家ネットワーク」加盟しており、どちらにおいても中心的な存在として日々活動しております。
一般社団法人JBN( 全国工務店協会) では、情報調査室委員、環境委員会副委員長を兼任し、国の様々な委員会等に参加、国交省をはじめとした各省庁と連携し、住まい手と工務店、双方にとってより良い環境で住まいづくりが出来るように日々活動しています。
また、静岡木の家ネットワークでは発足以来、理事として地域工務店同士の水平連携を促し、省エネ技術の普及、職人不足問題の解決の為の育成活動、災害時の応急仮設住宅建設の為の仕組みづくり、社会的問題となっている空き家率増加問題解決のための中古住宅流通促進活動など、浜松、静岡県西部において様々な社会貢献活動を行なっています。
Sustainable Architect Builder 宣言書
足立建築は、10年以上も昔から、全棟に住宅性能表示制度を導入し、住まいの維持管理・劣化軽減、省エネ、環境性能について研究を重ねてまいりました。
かねてより足立建築が目指していたのは、住まい手に連れ添い、次世代にまで住み継がれ、地域で循環する「持続可能な木の住まい」。
その根幹となる設計と技術の手法を確立し、またそれを体現できる数少ない工務店として、Sustainable Architect Builderであることを宣言します。