省エネ住宅を建てよう!

省エネ住宅を建てるための手法

省エネ住宅を作るための方法は、大きく分けて「建築による手法」と「設備による手法」の2つがあります。
建築による手法と設備による手法

建築による手法」とは、建物の骨格となる躯体や、外壁、屋根、そして開口部などの性能を上げることにより、住まいのエネルギー(暖冷房ほか)そのものを発生させない手法で、具体的には断熱・日射遮蔽・通風計画などが挙げられます。また「設備による手法」とは、発生した生活エネルギーをいかに少ない量でまかなうかに効果を発揮する手法で、高効率な暖冷房設備・給湯設備などの使用を指します。
高レベルな省エネ住宅にするためにはどちらも大切ですが、ここで気をつけなければいけないことは「優先順位」です。
建築による手法」は「設備による手法」に比べると後で手を加えることが難しい上に、ここを怠ってしまうと結果的に設備への負担が大きくなってしまうため、エネルギー消費が無駄に増え、快適性も損なわれることになりがちです。
以上の点をふまえ、省エネ住宅を計画するときには、必ず「建築による手法」を優先しましょう。

 

エネルギー消費割合を知ろう

省エネ住宅を建てるための具体的な手法に入る前に、もう一つ知っておかなければならないことがあります。
それは、家庭で消費するエネルギーの割合です。

一般家庭の平均消費エネルギーの割合

家庭の消費エネルギーの中で、どの用途がエネルギーを多く消費しているのかを知ることで、より効率の良い省エネ住宅を作ることが出来ます。前号でも触れましたが、2020 年頃には住宅の省エネ性能は1 次エネルギー消費量で判断されるようになる予定です。

つくり手だけでなく、住まい手側もエネルギーについて少し知っておかなければなりません。
上図の比較表で分かるとおり、「冬」の暖房で消費するエネルギー量は、夏の冷房とは比べ物になりません。
省エネ住宅を建てるためには、まず「冬」を攻略しましょう!

 

パッシブデザインを知ろう

皆さんに必ず知ってほしい言葉があります。それは「パッシブデザイン」という言葉。

パッシブデザインの家

パッシブデザインとは、特別な設備を使わずに、「自然にあるもの」つまり太陽や風といったエネルギーを、建物の構造や材料などの工夫によって「暖かさ」「涼しさ」などに変え、快適な室内環境をつくりだす手法です。
パッシブデザインで使うエネルギーは「自然エネルギー」ということになりますので、ランニングコストはタダです。まさに究極の「建築による手法」と言えるでしょう。

 

省エネ住宅の基本は冬

「冬」の断熱は必須!
断熱性能

「冬」の暖房消費エネルギーを減らすためには、まずは断熱性能を上げることが必須です。
断熱性能を上げないと、いくら太陽の熱を取り込んでも、いくら暖房で暖めてもすぐに外気につられて室内温度も下がってしまいます。
逆に断熱性能を上げておけば保温性能により、昼間の太陽熱を溜め込んでおけるため、夜になっても暖かく、暖房を使い始める時間も断熱性能の低い住まいよりも遅らせることが可能です。低い温度設定でも、住まい全体の温度差が少ないため、快適な生活を送ることができます。
それによって光熱費や消費エネルギーが減ることは言うまでもありません。

室内上下の温度差と部屋間温度差

断熱性能は数値で判断

熱の逃げやすをみて、断熱性能を決める断熱性能は、Q 値(熱損失係数)やUA 値(外皮平均熱貫流率)という数値で判断できます。Q 値は、今までの断熱性能を計る基準でしたが、2013 年10月以降は、より正確な断熱性能を計るため、UA 値に変更される予定です。ただしUA 値は住宅性能評価や建築基準法の指標も確定していないので、現時点ではQ 値で判断したほうが良いと思います。Q 値とは、建物の熱の逃げやすさを数値化したものです。

私的見解ですが静岡地域ではQ 値は1.9 ~ 2.2W/(㎡・K) 程度がちょうどよい断熱性能でしょう。
なお、充填断熱や外張り断熱などの工法・種類による断熱性能の違いはありません。
知識を持った施工業者がきちんと施工をすれば、どのような工法・種類でも期待値通りの性能を発揮するはずです。
断熱性能はあくまでQ値UA 値で確認しましょう!

 

実は窓は壁より大切

断熱性能というと、どうしても壁の部分に目が行きがち。
しかし、壁より断熱性能に気を付けなければいけない箇所が「窓」なのです。
熱の逃げこみやすさをみて、「窓」を選ぶ

壁は断熱材を入れれば性能が上がりますが、「窓」は光・風・景色などを取り込む場所、ふさぐことは出来ません。
断熱材と「窓」との性能の違いは、熱伝導率で分かります。平成11年基準の一般的なグラスウール断熱材の熱伝導率は0.038W/(m・K)。ガラスは1.0 W/(m・K)、アルミは200W/(m・K)です。
つまり、ガラスは26倍、アルミにおいては5263倍も断熱材に比べて、熱を通しやすいということです。
これを知ると「窓」の断熱性能を上げることがどれだけ大切か分かると思います。
上図は一般的に出回っているサッシとガラスを組み合わせた時の熱貫流率(熱の逃げやすさ)を記した表です。
コストをどれだけかけられるかにもよりますが、私としては熱貫流率2.33の水準をお勧めします。
前項で触れたQ値UA 値には、もちろん今お話ししたサッシの断熱性能も含まれています。
こうしたことからも、断熱性能はやはり数値で判断することが大切だと分かります。

 

内部結露にご注意

家の高断熱化を計るほど、気を付けなければいけないことが防湿です。
防湿の必要性は建築業者も軽視しがちですが、家の耐久性や生活の快適性の面から言っても非常に重要です。

家の中の結露しやすいところ
内部結露のメカニズムと断熱

冬をクリアーしたら次は夏

「夏」は徹底的に日射遮蔽!
冬の太陽は、室内に暖かさをもたらしてくれる最大の恵みとなりますが、「夏」になれば暑さにより、体に不快感を与える最大の敵となります。
つまり「夏」は徹底的に日差しを遮ることが基本となります。

日射は外で遮る、が基本
室内に入った暑さを防ぐのは大変困難なため、日射は外で遮ることが基本です。
方法としては、夏と冬で違う太陽高度を利用し、庇(ひさし)で遮る手法。窓の前に落葉樹を植え、夏は葉で日射を遮り、冬は葉が落ち日射を取り込む手法。
その他にも窓に外付けルーバーや、よしず・すだれを取り付け、日差しを調整するなどいろいろな手法があります。

室内の暑さは風を使って外へ
日射遮蔽を考えても日差しを完全に遮ることは不可能です。
室内に入ってしまった熱は、通風計画をしっかり立てて再び外へ出します。そのためにも建築場所の敷地を調査し、夏の昼間の風向き、夜の風向きを知ることが必要です。静岡県の風向きを調査した参考データのあるサイトがありますので確認してみて下さい(イラスト下部参照)。
しかし、このデータで気を付けなければいけないことは、このデータはあくまで障害物が無い敷地を想定しているということです。
実際に建築する場合の周辺環境は、データのような好条件の場所であることは少ないため、実際に建築場所へ赴き、周辺の建物などを調査し、風向きの変化などを調べることが大変重要です。敷地の風向きが分かったら、実際のプランに風の入口、出口となる窓を配置していきます。
プラン上どうしても風を入れることが難しい場合は、壁を突き出したり、窓を縦すべりなどに変更して、ウィンドキャッチャーとして活用することも有効です。
「冬」に暖かく「夏」に涼しい住まい

以上のような工夫によって、「冬」に暖かく「夏」に涼しい住まいを実現することが可能となります。
省エネ住宅やパッシブデザインは、環境への負担を大幅に減らし、光熱費も減らし、そしてご家族が心地よく快適に長く暮らせる住まいを実現してくれます。
本コラムを読まれた住まいを計画中の方に、少しでも「建築による手法」やパッシブデザインの大切さを理解していただければ幸いです。

パッシブデザイン・断熱・防湿・夏の日射遮蔽・通風

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